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歯車狂ったau、独創性で巻き返しなるか

KDDIの携帯電話ブランド「au」が、1年前には予想もしなかったピンチを迎えている。今年6月に契約純増数でNTTドコモに逆転を許したかと思えば、7月には電話番号を変えずに携帯電話会社を替えられる番号ポータビリティー(継続)制導入後初めて転出超過の屈辱を味わった。新しいライフスタイルの提案で若者に支持され、市場をリードしてきたauブランドの輝きは、ソフトバンクモバイルにお株を奪われた格好だ。auに何が起きたのか。KDDIの巻き返しが注目される。今夏のケータイ商戦の話題をさらったのは、ソフトバンクが7月に発売した「iPhone(アイフォーン)」。また、NTTドコモが8月から個人向けに販売を始めた「ブラックベリー」も、パソコンの機能を取り入れた高性能が売りだ。これら高機能端末は「スマートフォン」と呼ばれ、市場は活気づいている。だが、KDDIは昨年から開発を急ぎながら、1機種も発売できていない。

 「どのタイミングで製品を出すか検討している」

 小野寺正社長は7月の記者会見でこうかわしたが、関係者は「開発がうまくいかず困っている」と明かす。スマートフォンは販売台数こそ多くないが、携帯電話会社の技術力や先進性を示す役割を担う。派手なPR作戦を展開するアイフォーンを前に、KDDIは対抗策を打てない状況だ。

 スマートフォンだけではない。KDDIが昨秋発表した高機能端末向けの共通基盤技術「KCP+(プラス)」も、開発の最終段階で停滞。売れ筋機種の販売計画を狂わせ、今年前半の商戦の足を引っ張った。

 相次ぐ開発遅延には、同社特有の事情もある。ライバルのドコモとソフトバンクは、主力の第三世代携帯電話(3G)サービスで同じ通信規格を採用している。端末メーカーは市場シェアの約7割を占める両社には、同じ技術で効率よく製品を供給できる。

 一方、KDDIの3Gは異なる通信規格のため、メーカーは新たな仕様開発や部品調達を求められ、負担感が大きい。ドコモなどより販売台数が少ない分、開発や製造のコスト削減も難しい。シェアの差は、メーカーを含む開発力に直結するため、容易に解決できない構造的な課題なのだ。

 端末開発の自由度が狭まった結果、最近はKDDIの端末から特徴や独自性が失われたとも指摘される。得意の前衛的なデザインも他社に追随されてきた。

 不振に陥ったもう一つの原因は、市場の変化を読み違えた料金戦略にある。携帯電話会社は従来、毎月の利用料金を高く徴収する一方、その一部を販売店への補助金に回し、端末を「0円」「1円」などの格安で販売する料金プランの体系を構築してきた。

 そこへソフトバンクが昨年1月、毎月の基本使用料を980円と格安に設定し、代わりに端末代金は割賦販売方式で回収する新料金プランを導入。また昨秋には総務省が、端末代金と利用料金を明確に分離するよう行政指導し、これを受けたドコモも割賦販売と割安な利用料金による新料金プランへ軸足を移した。

 しかし、変化を嫌ったKDDIだけが、従来の料金体系を継続した。その結果、市場ではソフトバンクやドコモの明快な料金プランが支持を集め、小売店から「auのプランは売りにくい」と不満が噴出。商戦でみるみる失速し、6月にようやくドコモなどと同様のプランへ切り替えた。常にドコモに先んじて料金競争を仕掛けたKDDIが後手に回り、敗者復活戦を挑む格好だ。

 とはいえ、「auは若者に根強い人気を維持している」(携帯電話販売会社)のも事実だ。auの先進イメージには、他社に先駆けた音楽配信サービスが大きく貢献している。2002年以降、楽曲の一部を携帯に配信する「着うた」や、1曲まるごと配信する「着うたフル」を導入。06年には携帯向けとパソコン向けの音楽配信を組み合わせた「リスモ」を開始し、音楽も携帯も手放せない若者の心をがっちりとつかんだ。

 新機軸を次々に繰り出す創造性は、今年の新サービスにも表れている。携帯に搭載したGPS(衛星利用測位システム)を活用し、ジョギングやサイクリングで走ったコース、時間、消費カロリーなどを記録できる新サービス「auスマートスポーツ」を1月に開始。6月には端末の外装と、メニュー画面などの“中身”の両方を利用者ごとに変えられる「フルチェン」サービスを導入した。全く新しい携帯の使い方を提案するauらしいサービスといえる。

 今後数年間に、携帯関連業界には大きな技術革新の波が訪れ、市場は新たな転換期を迎える。その変化をつかんで勝機にできるかどうか、KDDIにとっては正念場となる。

 最初の大波は、来年予定される次世代高速無線通信の商用化だ。激しい参入競争の末、2つしか与えられない免許を勝ち得たのは、新通信規格「WiMAX(ワイマックス)」の導入を目指すKDDI陣営と、次世代PHS規格を擁するウィルコムとなった。

 ワイマックスは毎秒最大20メガビット程度の高速通信を安価で提供できるのが特徴。KDDIは事業化にあたり、パソコンやカーナビ向けの無線インターネット接続サービスを本格化するほか、中小の通信事業者などに設備や回線を貸し出す新ビジネスにも乗り出す。

 さらに2010年以降は、3Gから次世代携帯電話規格(3・9G)への移行も控える。KDDIは3Gでの独自路線を捨て、ドコモや海外の主要事業者と同じ規格を採用する方針を表明した。他社との規格共通化で端末開発の制約がなくなれば、得意とするサービスの独創性で勝負できる場面が増えそうだ。

 端末開発と販売政策の歯車が狂い、修正を急ぐau。変化の激しい市場だけに、油断は即ピンチを招くが、好機も少なくない。KDDIは巻き返しの準備を静かに、だが着実に進めつつある。


スーパーやコンビニ、菓子に独自の「販売期限」…返品要因に

農林水産省が菓子業界を対象に7月に実施した賞味期限に関する調査で、大手スーパーなどの小売業者が独自の納入期限や「店頭販売期限」を設けている実態が明らかになった。

 期限が切れた食品は返品・廃棄されるなどして、食品の廃棄を増やす一因と指摘されている。農水省は調査を踏まえ、10月までに対応策をまとめる。

 調査は全日本菓子協会が協力し、全国で流通している菓子を製造する31社を対象に実施した。このうち、6社から回答があった。

 それによると、大手スーパーやコンビニは全般的に、製造日から賞味期限の期間のうち3分の1の時点を「納入期限」と定めていた。この条件では、例えば賞味期限3か月の商品では、製造から1か月を超えると納品ができなくなる。期限を外れた商品は返品されていた。

 また、製造日から賞味期限までの期間のうち3分の2の時点を「販売期限」と定めている小売店もあった。期限を過ぎた商品は、見切り品として割引販売されるか、卸業者やメーカー側に返品されていた。

 全商品に占める返品率は平均1・1%で、その99・5%は捨てられていた。

コインパーキングが値下げ 燃料高騰が「強気」に待ったか

ガソリン価格の高騰でマイカーの利用度が減り始めたコインパーキングでは値下げに踏み切るところが出ている。道路交通法の改正で路上駐車の取締りが厳しくなった2年前には、一斉に料金を値上げして強気の商売を続けてきたが、最近の燃料高騰が「強気」に待ったをかけたようだ。

■都公社、3か月で2万台の減少

  「都内では駐車場の価格変動が激しさを増している。路上駐車の取締りが強化された2006年6月頃から需要が急増し、民間の駐車場では一斉に値上げして強気の商売をしていたのが、最近では一転して下げる傾向にある」

と明かすのは、東京都道路整備保全公社管理課の担当者だ。

 同公社では、都内で100カ所のコインパーキングを運営している。稼働率の低下が深刻で、08年4〜6月には前年同期に比べて2万台も減り、利用時間も短くなっている。今のところは値下げしていないが、1日の最大利用料金を下げる方向で検討を進めている、という。一方、コインパーキングを運営する大手2社では、既に値下げしている。全国に7600カ所を運営する業界最大手のパーク24(東京都千代田区)では、08年6月以降に100カ所以上の駐車場で「15分100円」から「20分100円」にした。広報担当者は「適正価格に改定したもので、今回が特別なことではない」と話している。

 また、首都圏を中心に529カ所を運営する日本パーキング(東京都千代田区)でも、例えば「10分100円」から「15分100円」にするというように価格は据え置いて利用時間を広げたり、1日の最大料金を下げたりした。特に稼働率が低くなっている郊外で、下げる傾向にあるようだ。

 日本パーキングの広報担当者は、

  「料金がよく変動するのは、駐車場業界全体で言えることだ。ほとんどが値段は据え置いて時間を変動させるといった、利用者に大きな影響を与えない範囲でやっている」

と話している。

 さらに、「駐車スペース数と保有車両数を比べると、駐車場は圧倒的に不足しているため、ニーズはまだあると考えている。今後はガソリン価格が落ち着いてくると見られており、駐車場の利用者が増えるのではないか」と続けた。一時的に値下げはしても、強気の姿勢は変わらないようだ。

■知恵を絞り、回数券が1.5倍増に

 駐車場の稼働率を上げようと、あの手この手のサービスを行うところも出てきている。日本駐車場開発(大阪市)は08年8月から、約90カ所のコインパーキングで、提携するトヨタファイナンスのクレジットカード「TS CUBIC CARD」を見せると、最初の1時間分が無料になるサービスを始めた。9月30日まで行う。同社では7月にも、1日駐車券が10枚つづりになった回数券を購入すると、1日分が無料でついてくるキャンペーンを行った。実施期間は7月11日から31日までという短期間だったが、広報担当者によると「前月同期と比べて冊数ベースでの販売数は1.5倍に伸びた」と話している。

 同社の駐車場はすべてがビルや建物の中にあるという特殊な立地から、利用者の多くがリピーターだ。ガソリン高騰でマイカーの利用者が減り、一部の駐車場で稼働率が低下したために実施したというが、好評だったようだ。

日経平均、43年ぶり10日連続の下落…買い戻す勢いなく

2日の東京株式市場はほぼ全面安の展開となり、日経平均株価(225種)は43年4か月ぶりに10営業日連続で下落した。原油高などの影響で日本経済の先行き不安が強まり、市場に買い戻す勢いがないためだ。

 2日の日経平均は前日比176円83銭安の1万3286円37銭となり、10日間の下げ幅は1166円になった。

 株式相場は通常なら、株価が下落しても、割安感が出て数日以内に買い戻しが入る。10日も下がり続けるのは、1990年代のバブル崩壊や、昨年の米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題による混乱時にもなかった異常な現象だ。

 今回は7円安が2度あるなど、じりじりと値を下げている。ニューヨーク市場で原油相場が1バレル=140ドル台に突入する一方、為替相場は円高基調で推移しており、日本経済の閉塞(へいそく)感が市場で徐々に広がっていることが背景にある。

 43年前は、「オリンピック景気」と「いざなぎ景気」に挟まれた「(昭和)40年不況」と呼ばれた時期で、経営危機に陥った山一証券に「日銀特融」が行われるなど、経済情勢は暗かった。足元の景気も後退懸念が強まっており、株価の下落は危険信号と言えそうだ。

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